きみは金色
好きな子をものすごく大切にしてるレオ、ものすっごく、かっこいいよ。
ねえ、でも、レオ。
…レオ。
「金色の方が、好きだった」
「………」
「あたし、金色が、好きだったのに」
あたし、好きだったよ。
…ずっとレオが、好きだったのに。
「……うん」
「………かっこわるい…っ、」
「うん……ごめんな」
ねえ、悔しい。
めちゃくちゃ悔しい。
悔しくて、めちゃくちゃうらやましい。
レオをこんなにかっこいい男にした、あの子がうらやましい。
代われるなら代わりたい。
…細胞ぜんぶ入れ替えて、レオが好きな、あの子になりたい。
「レオなんてきらい……、」
「……うん」
「だいっきらい………っ、」
2人ぼっちの教室に、不自然なほど明るい日差しが差し込んでいる。
まだ、元気な夏の日差し。でもそれは、秋が来る前に。
夏が最後の力を振り絞っている光景に、見えないこともなかった。