きみは金色
あと何ヶ月。あと何日。
どんどんめくられていく、少なくなっていく。試験までのカウントダウン。
あと、何日。
それは同時に、卒業の……離ればなれの、カウントダウンだ。
「ありがとーございましたー」
とりあえず今日の課題直しは終わって、職員室を立ち去ろうとした時だった。
後ろに人の気配を感じて振り返ると、イワコウがおれの後をついて来ていた。
「…なんでついてくんの」
自然と眉間にシワが寄って、声のトーンも落ちる。
「ションベンくらい自由に行かせろよ」
「……あー、そ」
…ションベンっすか。
しかたなくデカい男2人で連れ立って、職員室から廊下へ出る。
とたんに襲ってくるのは、異常な寒さ。
おれたちが出てくるのを待ち構えていたみたいに、ガッと肌に噛み付いてくる。
「うおっ、さみっ」