きみは金色
「あー……うん。ごめん、やっぱいいっす」
「言いかけてやめるとか何様だお前」
「………」
「何」
「……そのー……だから、さ。高校から付き合って、そのまま結婚する、とかって。あると思う?」
「………」
「うまくいったヤツとかいんの?イワコウの……同級生とかで」
小さな声で言って、首をすくめる。
校舎内ではマフラーは禁止されているから、グッと肩を上げて、首の面積を減らすしかなかった。
「……いや」
おれの質問に、声を濁らせるイワコウ。
正直な答えだ。いけ好かないところはあるけれど、イワコウはウソをつかない人間だ。
「…ま、でも、ないわけじゃないだろ。世の中にはそういうカップルもいるわけだし」
後ろ首をかきながらそう言うイワコウに、おれはたずねた。
「離れても?」
「………」
「…遠距離に、なっても?」