きみは金色



布団から出たくない季節の代表。冬。


それでもおれは毎日、夏よりずいぶん早い時間に、ベッドを抜け出てていた。



もちろん何もないなら、授業開始ギリギリまで布団の中にいたい。


でもそうしないのは、真子との待ち合わせがあったから。



おれの居残り課題だったり、真子の塾だったり。


そういうので、放課後一緒に帰るのが難しくなって。



だから、朝に待ち合わせよう。


おれたちの間で、自然とそういう流れになっていた。




誰よりも早く教室に来て、机を正面でくっつけて、一緒に勉強する。


一緒に…って言っても、レベルも、しなきゃならない範囲も全然違うんだけど。まず真子、センター受けるし。



おれたちの高校からじゃキセキって呼べるくらい、レベルの高い大学を受ける真子。



センター試験に、二次試験。


周りはみんな、賢いヤツばっかり。



真子の方がおれなんかより、もっと、ずっと大変なはずなんだ。


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