きみは金色
…こうしていられるのは、いつまでなんだろう。
そう思うのは決まって、出来事が終わりかけの時だったりする。
…あの時はよかった。
そう思うのは、多分ずっと先なんだ。
でもきっと、何度もそう思うんだ。
真っ只中にいるときは、その価値がわからないから。
もう2度と手に入らない、青春の輝き。
* ~side 裕也
夏生まれっぽいよね。
夏好きっぽいよね。髪型的に。
合コンに行けばよくそんな風に言われるけど、あながちそれは間違いじゃない。
正確に言えば、夏が好きっていうより、その逆の季節が苦手なんだけど。
高校3年生。1月。
高校生活も、残りわずか。
短いツンツン茶髪がトレードマークの、おれ。中西裕也。
寒いのが苦手なおれにとっては、この季節は天敵。ゴウモン。難攻不落の…あー、アタマわりーから、わかんね。
しばらくすれば寒さにも慣れた…なんてことは、とりあえず一切ない。
春、本気で早く来い。
来い、歓迎するから。両手広げて。