きみは金色

この前会った時も、



「夢で白紙の答案用紙に追いかけられる…」



とか言ってたから、そうとう切羽詰ってるらしい。



仕方ないからそん時は、白紙の答案用紙よりインパクトのある、白い顔の女のホラー画像を送ってやった。


そしたら、ガチでキレられた。



…せっかく気ぃまぎれるかと思ったのに。短気なヤツだ。



ゴロンとベッドに寝転んでメールの返信をしていたら、1階から母さんの声がした。



「裕也ぁ~!!いるー!?」



そこらへんの応援団よりよっぽど、よく通る声だ。


なのに母さんは学生時代、手芸部だったとか言うから、ちょっともったいない。



「ほーい」

「ごめん、ちょっと店番頼むわ~!!かーさん少し出かけてくるからー!!」

「ほいほーい」



よっ!と一気にベッドから跳ね上がる。


勢いよく階段を下りていったら、ズダズダと忙しい音がした。


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