きみは金色
自分から出てきた声は、ものすごく軽くてお気楽だった。
レオは何も言わなかった。
でもヘルメットの下、きっと口をとがらせてんだろうなって思った。
高校生活約3年間で、もう見飽きるほど見てきた表情だ。
3年間。レオとダチになってから、そんなに時間、過ぎてたんだな。
たくさんのレオを見てきた。
変わっていくレオも見てきた。
2年生の2学期。
市ノ瀬さんと付き合ってから、レオは変わった。
なんでも適当だったのが、一生懸命になった。なんか、ニンゲンっぽくなった。
レオが受験しようって決めたのも、頑張り出したのも、市ノ瀬さんがキッカケだと思う。
そういうのって、すげーなって思う。
苦手なはずの勉強とか頑張っちゃってるお前のこと、すげーなぁって思う。
…なあ、おれ。言ってなかったけどさ。
金色から黒になったレオの髪、おれ、すっげーカッコイイと思うんだよ。