きみは金色



1度見つけたエサを逃がすまい、とするのは、野生動物だけじゃない。


おれたち高校生だっておんなじだ。


しかも、すっかり学校生活に慣れて。


わりと退屈で、なかなかに刺激を求めたくなる高校2年の時期であれば、なおさら。



…そういう意味で、おれはかっこうのエサになってしまったようだった。









「ドーナツ食いてえー…」



にぎやかな、朝の教室。


おれの席までやってきた裕也は、大あくびしながらそんなことを言ってきた。


ドーナツ丸々1個、入ってしまいそうな口のサイズ。


プラス、ものすごく切実な声だ。声とセリフが合ってない。



「なーレオー、次の100円セールいつだっけー?」

「…知らん」

「18日だっけー?19?」

「話聞いてないだろお前」


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