きみは金色

飯田。市ノ瀬。そう言えば、あいうえお順で出席番号が並びだったんだ。


市ノ瀬の靴は、いつもきれいにそろえられて、下の段に入っている。


そんな、今まで気にも留めていなかったようなことにも気づいてしまって。


そんで、ちょっと喜んでたり。けっこう嬉しかったり。



…バカじゃねーのかな、おれ。



自分がこんなに単純で純情だったなんて、初めて知った。


でもだからこそ、どうしようもできなかったりするんだ。


…今までおれ、どうやってレンアイしてたんだろう。


そんな初歩的なこと。意識したこともなかったから、自分でもわからない。


どうやって仲良くなって、付き合ったりしてたんだろ。


どうやったら進展できんの。どうやったら話せるようになんの?


…っつーか、何話せばいいんだよ。おれいっつも、どんなこと話してるっけ?


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