きみは金色
そんな風に勝手に、グルグルグルグル。
普段めったに使用しない脳みそをフル回転させてしまって、容量オーバーでパンクしそうだ。
その脳みそが、パンクどころかハレツしてしまうような出来事。
それはすぐあとの、数時間後にやってきた。
「おっ!!市ノ瀬さんじゃーん!?」
その日の、午後のことだった。
腹が十分に満たされたあとの、昼休み。数人で廊下にたむろっていたときだ。
となりにいた裕也が興奮した様子で、おれの肩をたたいてきた。
裕也の指差す方向。顔を上げてみると、そこに見つける。
廊下を歩いて教室に戻ってくる、市ノ瀬の姿。
黒い髪。2つに分けて結ばれて、耳の下でサラリとそろって揺れる様子。
「………っ!!」
おれは無意識に、背すじをグワンッと伸ばしてしまっていた。