久しぶりだね初対面
「ん?」

人の声が、聞こえる。

一人や二人じゃない。

結構大勢の声だ。

おまけに、夜空を照らし出すほどの灯りが離れたところに見える。

何だろう…大勢集まっているみたいだけど…。

とにかく少し安心した。

知らない人間ばかりでも、人のいる場所なら何とかなりそうな気がしたからだ。

とにかく自分がどこにいるのか、早く把握しなければ。

俺は灯りのある方へ、まるで火に入る夏の虫のように近づいていった。





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