久しぶりだね初対面
明かりに近づけば近づくほど、それが何なのかがはっきりと見て取れた。

浴衣や甚平姿の人々、数々の屋台、はしゃぎまわる子供達…。

縁日のようだった。

通りを挟むように、数多くの露店が軒を連ねている。

ものすごい数だ。

どこまで続いているのか、先は見えない。

こんな状況でなければ、胸躍る光景だ。

が、今はとりあえず露店よりも優先すべき事柄がある。

「あ、ちょっと!」

俺はそばを通り過ぎようとした女の子に声をかけた。

「ん?」

女の子は振り向く。

小学校低学年くらい、おかっぱ頭の可愛らしい女の子。

母親にでも着せてもらったのだろうか。

金魚柄の浴衣がよく似合っている。

「なぁに?」

「ちょっと訊きたいんだけど…今何時かな?できれば何年何月何日かまで教えて欲しいんだけど」




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