久しぶりだね初対面
…浴衣の帯の背中に団扇を差し、片手には風船ヨーヨーをポヨンポヨンさせている。

お小遣いで買ったのだろうか。

いかにも縁日を満喫していますといった感じだ。

「一人で縁日に来てるのか?」

「ううん、自由行動!パパとママと来てるんだよ。あと一時間位したら、戻ってきなさいねーって」

振り返って、女の子はニコニコ笑いながら言った。

こんな歳の子を一人で歩かせるなんて無用心だな…でもこれだけ活発そうな子だと、親も面倒見るの大変なんだろうな。

そんな事を思い、心の中で笑っていると。

「あった!焼きそば屋さん!」

女の子が指差して叫んだ。

「お、ほんとだ。さんきゅな、案内してくれて」

俺が女の子の頭を撫でてやると。

「えへへ~♪」

照れ臭そうに彼女は笑った。

早速焼きそばを一皿注文する。

「お前も食うか?」

女の子に尋ねる。

「ううん、私あっち食べる!」

そう言って女の子は向かいの屋台に向かった。

チョコバナナを売っているらしい。

甘いものの方が好きなんだな。

「すみませーん、くださーいっ!」

元気よく屋台のおっさんに注文する女の子。

その彼女が取り出した小銭入れには。

「!」

某未来製猫型ロボットのキーホルダーが付けられていた…。



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