久しぶりだね初対面
あまりにもぐっすり眠りすぎたせいで、危うく寝過ごすところだった。

目が覚めて、また自分の部屋だったことを神様に感謝しつつ、俺は制服に着替えて学校へと向かった。

家から学校まで、休憩なしで走るというのはなかなかハードだ。

それでも比較的家が学校に近かった事にこれまた感謝しつつ、俺はホームルームが始まる
五分前に、何とか自分の教室に駆け込む事が出来た。

自分の席に突っ伏し、呼吸を整えていると。

「今日は遅かったのね」

聞き覚えのある声が耳に届く。

昨夜、何度も聞いた声だ。

俺が顔を上げると、そこには隣のクラスの双葉が立っていた。

ツインテールが窓から吹き込む風に揺れている。

紛れもなく、俺の時代の双葉。

「よっ。おはよう」

「え…お、おはよう…」

昨日とは違う俺の態度に、双葉は少し驚いているようだった。


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