好きだなんて言わせない


ふわりと、体が宙に浮き、薄いピンクや透き通るような水色の光に抱かれる。


少しずつ、少しずつ、声が遠ざかっていく。



「貴方は、きっと、心が通じ合える人と、出逢えるわ」


そう、聞こえたかと思えば、ぶわっと、強い風に流される。


声はどんどん遠くなっていく。



「、待って!」


はっ、として小さくて、細い腕を精一杯伸ばす。
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