ないしょの贈り物
第三話、不思議な缶

この日、パパは朝から慌ただしかった。

あたしはいつもより早めに起こされて、まだ寝ぼけたままの胃にコンフレークを詰め込んだ。


朝食を食べているあたしにパパはこう告げた。



「今日帰りが遅くなるから夕飯作れないんだ。だからコンビニのお弁当買っておいたから、それ食べて。お風呂は赤いボタン押せばお湯が湧くから。あと寄り道せずに真っ直ぐ帰るんだよ。呼び鈴鳴っても絶対に出ちゃ駄目だから」


そう早口で言いながらパパはネクタイを締めた。
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