ないしょの贈り物
泣いたママの顔をあたしは生まれて初めて見た。
それがひどく切なくて……
悲しくて……
やり切れなかった……
なのに、ママの笑顔は今まで見せてくれた中で一番綺麗だった……
「……いや、嫌……嫌!! 行っちゃイヤッ!」
身体を起こしてママに抱きつく。
あたしの目にも涙がどんどん溢れ出す。
一生分の涙を使ってしまう程……
あたしは泣いた。
「全然いい子じゃないもん! ふうか昨日レーズンわざと床に落としたもん!」
「うん、知ってるわ。けど、頑張って二つ食べたじゃない……」