蒼の界
日常
「アンタまじきもすぎ」
頭にかけられた水は、思ったより冷たくて、痛かった。
私の周りを、クラスの女子が円を作るように集まっている。
一人真ん中で立つ恐怖は、きっと彼女たちには分からない。
私はただ、彼女たちを刺激しないよう、口を噤む。
しかし、反応しなかった事が逆に彼女たちの気に障ったのか。
リーダー格の女が、私の髪を掴んだ。
「・・・・っ!!」
「なんか喋れよ、ブス」
腹を膝で蹴られ、痛みで蹲る。
彼女たちの甲高い笑い声が、女子トイレで響いた。
(早く、終われ・・・・)
早く、この悪意に満ちた空間から、出ていきたい。