蒼の界
私が、こんなふうにクラスメイトに扱われるようになったのは、三か月前からだった。それまでは、深い付き合いではなかったけれど、友達と呼べる存在も居た。
けれど、『海堂仁』、この男が全てを壊した。
海堂仁はクラスの人気者で、整った容姿からか、同性だけでなく異性からも人気が高い。
そのため、彼の発言力にはクラス全体に影響を与えた。
『東雲って、なんかムカつく』
ただこの一言。
「ムカつく」、そんな一言だけで、私の生活は一変した。
最初は男子がちょっかいを出すだけだった。
次に、一部の女子が暴行を加えるようになって。
最後はクラス全体が私の敵になった。
(やだ、こんなの)
傷つくたび、誰かを憎む気持ちが強くなっていく。
例え高校を卒業して、彼らと関わりが消えても、私からこの汚い感情は消えてくれるのか。
憎悪、嫌悪、恨み、・・・
今、私の心は彼らよりもずっと荒んでいる。