love beginner
「の、野崎くん?」
信じられない。
野崎くんは優しいけど、普段基本はクールでこんなことをする人じゃない。
というのが、野崎くんと話すようになって私が思っていたイメージ。
でもここにはそんな野崎くんはどこにもいなくて。
私はおそるおそる呼びかけると、私に気づいた野崎くんと野球部の人達がこっちを向いた。
「くらげ?」
「の、野崎くん!?何してるの?!!」
少し怯えながらもその集団に近付いた私は驚いた。
野球部の人達は今6人この場にいるけれど、その全員が野崎くんに殴られたのか、顔にケガをしていた。野崎くんはため息をついて私を見る。
「ねぇ、ちょっとなんでこんな「びびってんならこっち見るな。早く行け。」・・・!!!」
私の言葉を遮るようにしてきた野崎くんの目がとても怖くて。
私は何も言えずにそのまま逃げてしまった。