【短編】僕は教師、君は生徒。-Summer Triangle-
長いキスの後
弱々しく離れるナツの唇。
その隙間から零れる声はもう
限りなく小さくて。
「しい・・・・・・・な・・・く、ん。
い、いっぱ・・・・・い・・・あい、し・・・・てく・・・れてあ・・・ありが・・・・とう」
涙で濡れたナツの頬に
僕の涙が零れる。
ゆっくりと伸ばしたその腕で、その指で
ナツは僕の涙を拭った。
「ごめ・・・ん、ね・・・・・・しい、な・・・く・・・・・・・ん」
その言葉と共にナツの腕は力なく落ちて
電子音が規則正しいリズムを止めた。