勝手な恋
「…羽多野先輩」
羽多野先輩が好きだと言った恋春は、今まで見た中で1番可愛かった。
そんな顔すんなよ。
俺以外を思って可愛くなんなよ。
元々可愛いのに、化粧なんかしてさ。
髪の毛だって毎日変えてさ。
「最近三谷可愛くね?」
「だよな!俺も思った!」
今更そんな事いってんじゃねーよ。
俺が1番可愛いと思ってるよ。
その容姿も、仕草も、一生懸命なとこも
なにもかもが大好きだ。
羽多野先輩?
嘘だろ。
よりによって、彼女のいる先輩が好きだなんて。
恋春に傷ついて欲しくない。
否
俺が傷つきたくない。
絶対反対だ。
はんたい、絶対。
よし、俺だって本気になろう。
指くわえて見てられるかよ。
羽多野先輩にも、誰にも恋春は渡さない。
Side剛 Fin