勝手な恋
かちめないです、先輩
幸せすぎる。
夢じゃないのかな?
自分のほっぺをつねってみる。
「…いったたたた」
痛い。
夢じゃない!
「あははっなにしてるの恋春ちゃん」
「あっえっいやっ…」
やばいやばいやばい。
自分の世界に入りすぎて、はーさんの存在忘れてたぁぁ。
「あー、やっぱ恋春ちゃんはここが苦手だなぁ。ここをこうやって覚えたらいいよ。」
私のノートにすらすらとポイントを書いてくれる。
はーさんが貴重なお昼時間を私にくれた。
毎週火曜日のお昼なら時間あるよって。
翠ちゃんと、三人でご飯食べて
その後お勉強を教えてくれる。
翠ちゃんは、勉強嫌いだってゆって
お勉強の時間は保健室へ寝に行っちゃう。
だから、今は
はーさんと中庭に2人きり。
「っ///」
いけないのに。
いけないのに。
はーさんへの気持ちは"憧れでとどめなきゃいけないのに。
やっぱり心臓が好きだってゆう。
次の、
次の期末テストが終わったら
この夢から覚めよう。
きっちり諦めよう。
どうか、どうかまだ
期末テストが始まりませんように。
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そんな浮かれたある日。
はーさんの後ろ姿を見つけた。
はーさんは、木陰に向かって歩いてた。
木陰には、美しい女の人が座っていた。
風が吹いた気がした。
とても綺麗な人。
はーさんはその人の元へ行く。
彼女は、愛おしそうにはーさんの頬を撫でる。
私はくるっと2人に背を向け、
走り出そうとした。
「こーときっ!」
けど、翠ちゃんに声をかけられてしまった。
その声に、はーさんも振り向く。
「恋春ちゃん?」
「翠ちゃん、はーさんこんにちは」
がんばって笑顔を作った。
翠ちゃんは、女の人をみるなり
ゲって表情。
「秋、その子達は?」
立ち上がった彼女は、スタイルも抜群で。
「従姉妹の翠と、友達の恋春ちゃん」
笑顔で私たちを紹介してくれたけれど
いつものように胸は踊らない。