勝手な恋
あれからしばらく経ったある日、
「えーっ⁈恋春、はーさんのこと好きななの⁈‼︎‼︎」
「しぃーっ!しぃーっ!翠ちゃん声がおっきい!」
「あ、ごめんごめん。」
翠ちゃんにばれた。
最近なんか隠してるって問い詰められて、言っちゃった。
私ってわかりやすいのかな?
あれ?でも"はーさん"って…
「翠ちゃん、羽多野先輩知ってるの?」
「知ってるもなにも、従兄弟だよ。」
「えぇぇぇぇええぇえぇ⁈」
翠ちゃんの倍近く大きい声を出してしまった。
周りは私に大注目。
ごめんなさいとペコっと謝って、再び席に座った。
「従兄弟なのに、はーさんって呼んでるの?」
「ぷはっそこかい!いや、はーさんは昔っから兄貴色が強くてさ。従兄弟の中でも1番年上だったから、みんなあいつのことははーさん。」
「へぇー!へぇー!」
あれからなんの進展もなかった先輩情報が更新され、とても嬉しい。
「でもあれ?はーさん、彼女いなかったっけ?」
「…みたいだねぇ。いや、そもそも私なんかが見てもらうことすらないわけだし、本当ただの憧れで…」
「よっし。なら会いに行こ。」
「へっ?」
「はーさんに。」