いちごのキャンディ






「…なんだよそれ。

お前…フられたんだろ?
フられたくせに何お返しとか期待してんだよ」




「えー?」




マンガから目を逸らさずに答える琴日。





「そりゃー…あげたからには期待しちゃうよぉ。

何があるかわかんないしー」




…はぁ。



何があるかわかんない?




なんだそれ。





イライラする。



俺以外の男に、なんか期待してんじゃねーよ。





「お前ムカつく」




俺は椅子から立ち上がると、琴日からマンガを取り上げて。



その細い手首をつかんで、押し倒した。








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