ぶきっちょ
「ねぇ、ちょっと売店見てきていい?」
全て隅々まで鑑賞した後、千夏ちゃんが言う。
何か記念になるもの買いたい、そう付け足す。
「いいよ、俺トイレ行ってるな」
そう言って彼女と一旦別れる。
土曜日だからか、とても水族館は込み合っている。
俺達のようなカップルや家族連ればかり。
売店ももちろん混んでいて、千夏ちゃんはだいぶ時間が掛りそうだった。
俺はトイレを示す看板を見つけると、そちらの方向へと歩き出した。
トイレにも長蛇の列ができていて、少しうんざり。
案内板に従い、俺は外の別のトイレに行くことにする。
千夏ちゃんにそのことをメールすると、俺は水族館を後にした。