ぶきっちょ
もう一度だけ
「悠斗たちもーすぐ二ヶ月じゃね?」
放課後、部活に行こうと準備している俺に友貴が話しかける。
「あぁ、今日かな」
俺はそう答えながら席を立つ。
「山下」
丁度その時、担任が教室の入口から友貴を呼ぶ。
「あ、すぐ行きます」
そう友貴は答えて俺に手を振る。
「最近お前呼び出されてばっかじゃね?」
こうして放課後、部活に行く前にほぼ毎日。
友貴は職員室に寄って行くのが最近の日常。
「あぁ、ちょっとな」
友貴は曖昧に笑う。
「何かやらかしてんの?」
心配になって尋ねる俺。
中学時代の友貴を知ってるだけに、少し心配。
高校になってからは、服装以外はかなり真面目だけど。
「大丈夫だって、心配すんな」
そう言って友貴は教室を出た。