ぶきっちょ
部活も終わり、帰り支度を進める。
いつもは千夏ちゃんをできるだけ待たせないように、急ぐけど。
今日の俺はゆっくりしていた。
ここ数週間、ずっと考えてきて出た結論。
それは間違ってないのか、そう考えながら。
けどいつまでもこんなに、立ち止まるのはいけないし。
そろそろ前に進みたい。
千夏ちゃんと付き合うって決めたときももちろん、前に進むつもりだったけど。
結局二ヶ月経った今も、何も成長していない俺。
やっと準備の終わった俺は、部室を後にした。
校門に向かうといつも通り、すでに千夏ちゃんの姿。
俺を見つけるとすぐにぱって表情が明るくなる。
「悠斗くん!!」
そう言って笑顔で手をふる。
「今日遅かったね」
少し心配したように話しかける。
「ごめんね」
俺はそう言うと、千夏ちゃんの目を見て言う。
「少し隣の公園で話そうか」