ぶきっちょ
公園の出口で人影が二つになった。
浜口さんよりも頭一つ分高い身長。
俺は力なくその場にしゃがみ込んだ。
「信じられない……か」
そりゃそうだ。
今更何をどうあがこうと、もう遅すぎる。
「悠斗?」
いつの間にか立ち上がっていた千夏ちゃんが、心配そうに声をかけてくる。
「大丈夫?」
情けなくて、笑えてきそうだ。
振った相手にまで、振られたことを心配される程まで俺はぼろぼろなんだ。
そう実感させられた。
「追いかけないの?」
千夏ちゃんが言う。
もちろん、追い掛けていいなら追い掛けたい。
けど彼女の隣には、俺なんかじゃ絶対に叶わない彼氏がいる。
親友の友貴が。