ぶきっちょ
「友貴」
次の日の朝。
俺が登校するともうすでに友貴は着席していた。
「昨日のメール読んだわけ?」
俺が尋ねると、友貴はさらっと答える。
「読んだよ」
少なからずいらっとする態度に、俺は更に質問する。
「で?浜口さんには連絡した?」
しかし友貴が動じることはない。
「もう終わったことだって」
友貴はそう言って、見ていた雑誌を鞄にしまう。
毎月友貴が購入しているサッカーの月刊誌。
「俺にはもうどうすることもできないから」
変わることの友貴の様子に、怒りよりも違和感を感じた。
「部活は?最近行ってねぇんだろ?」
何だか心配になって尋ねるけど、友貴は慌てる様子もない。
「ちょっと今忙しいんだって」
俺は結局友貴には勝てなくて。
そのまま自分の席へと向かった。