ぶきっちょ
その日の放課後。
部活を終えた俺達はいつものように並んでバス停に向かう。
「今日千夏ちゃんの友達が一緒に来るってさ」
そう悠斗が言う。
「お前を見に?」
そう尋ね返すと悠斗は少し困ったように笑いながら頷く。
「可愛い子とかいねぇかな?」
俺はそんな悠斗の表情を知らない振りをしてそのまま会話を続けた。
校門を出るとすぐに千夏ちゃんが笑顔で悠斗を呼ぶ。
その隣に見える、桜高の制服を来た三人の女の子。
その内の一人を見た瞬間、俺は一瞬固まってしまう。
同時に、隣の悠斗も同じように戸惑ったような様子。
不思議そうに俺らを見つめる他の三人のことも考えてられない程、俺は動揺してしまっていたんだ。