ぶきっちょ
高校の入学式の次の日。
早速部活に入った千夏は、あたし達とは違う時間にバス停にいた。
うちらの通う共学の桜高と、隣の男子校である西高の生徒で溢れるバス停。
その中で、千夏は一目惚れをしたらしい。
決して格好良いわけじゃないけど。
友達と仲良く戯れあう笑顔に惚れたらしい。
それから何度もバス停で見かけて。
その度に惚れ直して。
一生懸命話し掛けて。
メールをするようになって。
そしてやっと、彼女になれたらしい。