ぶきっちょ
『今日さ、中学寄ってみねぇ?』
いつものように4人でご飯を食べている昼休み。
山下君からのメール。
あれから1ヶ月半。
特に問題もなく、あたしたちの付き合いは続いていた。
毎日山下君が部活が終わるまで待って、一緒に帰る。
相変わらず山下君はあたしと一緒にバスを降りて、あたしを送る。
とにかくすごくあたしを大事にしてくれる。
『いいよ☆』
あたしはそう一言だけ返して、携帯を閉じた。
………本音を言うと、中学にはあまり行きたくない。
あそこには、彼を思い出す要素が多すぎるから。
たぶん何を見ても、嫌でも思い出す。
『んぢゃ、いつもの時間にバス停で』
山下君からのメール。
山下君には、もうこれ以上心配はかけたくないし。
あたしはゆっくり深呼吸をしてご飯の続きに取り掛かった。