ぶきっちょ
夕暮れのバス停に四人でベンチに詰めて座る。
千夏は緊張しながらずっと、西高の校門を見ている。
そんな千夏をからかいながら騒いでいると、千夏が急に立ち上がる。
「来た」
全員に緊張が走り、千夏の視線の先を見つめる。
「悠斗くん!!!!」
千夏が笑顔で手を振ると、西高生のうちの一人が手を振り返す。
「……え?」
思わず口に出した声に反応して、三人があたしを見る。
それに合わせて、そいつもあたしを見る。
「…浜口さん!?」
驚いた顔でこっちを見るのは、少し髪型の変わったあいつだった。