ぶきっちょ
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「うゎっ!!浜口っちゃんじゃん!!!!久しぶり〜」
よく見ると、吉村くんの隣にいるのは見慣れた顔。
中三の時、同じクラスだった山下友貴がいた。
「あ…久しぶり、山下くん」
あたしは我に返って挨拶を返す。
千夏が驚きながら吉村くんの隣に並ぶ。
「知り合い?」
さり気なく、吉村くんの腕に掴まりながら。
「同中。三年とき同じクラス。ちなみにこいつも」
山下くんを指差しながら。
あの頃と同じ笑顔で言う。
「へぇ…すごい偶然!!」
明美がそう言って、何やら会話が弾む。
あたしも会話に交じりながら笑った。
その間、吉村くんと目が合うことは一度もなかった。