ぶきっちょ
彼女
「まじ?お前それでいいわけ?」
次の日の昼休み。
千夏ちゃんとの友貴に報告すると、案の定の反応。
実際、俺自身もこれでいいのか昨晩はちょっと考えた。
けど、あの眩しい笑顔の千夏ちゃんを泣かせたくなくて。
それだけでも付き合ってみる価値あるかな、なんて思ったり。
俺はゆっくり頷く。
「……お前さ、浜口っちゃんはもういいわけ?」
友貴が少し躊躇いながら浜口さんの話を出す。
俺の初恋が浜口さんってゆうのは、友貴と俺だけの秘密。
でも友貴は、卒業式前日の告白のことなんて知らない。
だって友貴には、下田さんのことを話していないから。
俺が卑怯な道に逃げたことを話していないから。
どう頑張っても言い出せなかったんだ。