ぶきっちょ
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「ま、とりあえずおめでとうな」
そう言って友貴が俺に微笑みかける。
「さんきゅ」
友貴の綺麗な顔立ちを見ていた俺は、ずっと疑問に思っていたことを尋ねる。
「なぁ、友貴は彼女とか作らないわけ?」
友貴は中学の頃、結構好き勝手やっていた。
中学に入学したときにはすでに、飛び抜けて大人びた雰囲気持ってたし。
身長だってかなり高い方だった。
上級生のお姉さま方や、同級生の結構お洒落な子達との噂が凄かった気がする。
けどそんな噂は中学二年の夏頃、何故かぱったり止んだ。
かと言って、特定の彼女ができたわけでもないんだけれど。
友貴曰く、飽きたらしいけど。
結局高校に入学した今の今まで、友貴は彼女どころか好きな女の話さえしなかった。