ぶきっちょ
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「悠斗くん!!!!」
その日の放課後。
俺は千夏ちゃんと街に遊びに行く約束をしていた。
いつものように友貴とバス停に向かう途中に、俺を呼ぶ声。
千夏ちゃんの友達が俺を見たいらしくて、千夏ちゃんの周りには桜高の制服を着た子が三人。
『可愛い子いねぇかな?』
帰り際、友貴が少し楽しみにしているように言っていたっけ。
バス停に近づく速度を少し上げようとした時。
「……え?」
戸惑うような声が聞こえて俺は立ち止まる。
まさか。
けど、聞き間違えるわけがない。
俺はゆっくり顔を上げる。
「……浜口さん?」
千夏ちゃんの隣には、桜高の制服を着た浜口さんがいた。