ぶきっちょ

再会




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彼女との出会いは中学二年の春。


始業式の日の放課後だった。


その頃の俺は周りが彼女だ、好きなヤツだとか騒いでるに全然興味がなくて。


ま、成長期が遅くてまだまだ見た目もガキで。


ただ男だけの馬鹿騒ぎだけに満足していた。


始業式で堂々と居眠りしてたら、運悪く担任に気付かれていて呼び出し。


職員室で散々小言を言われてうんざり。


終わった瞬間に道具を取ると、走ってその頃の俺の楽しみの一つであった部活に向かった。


体育館の扉を開けると、丁度バド部は休憩中。


ただ、何かいつもと違う。


いつもは休憩中となれば皆だらーっと円になって語り出す。


今日なんかきっと始業式の校長の話の長さとか、新しいクラスや担任について話が盛り上がるはず。


けど俺の予想に反して、バド部のメンバーは皆バレー部の方を見ていた。


バレー部はバド部の隣で練習をしていたが、特にいつもは気にしてみたこともない。


自慢じゃないけどうちのバド部は県じゃいつも入賞する位は程で。


バレー部なんかは無名に近かった。
















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