ぶきっちょ
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卒業式の前日。
あたしは明日の茶話会の準備。
吉村くんは卒業証書授与の代表として。
それぞれ残されたあたし達は教室でちょうど二人きりになった。
「明日で卒業かぁ」
「うん…」
あたしは荷物をまとめながら、吉村くんの言葉に相槌を打つ。
「淋しくなるなぁ…浜口さんと会えなくなると」
いつもの軽いノリで。
吉村くんが笑いながら言った。
ただそれだけのことなのに。
あたしは何故か泣きそうになった。
「明日…かぁ」
机のうえに座って、彼は天井を見つめながら言った。
そんな彼を見て、あたしは切なくなる。