ライギョ
俺は今日もリラにて晩飯を食っていた。
千晶さんは相変わらず美しく、そして俺の事を気に掛けてくれる。
さっきだってタバスコ掛け過ぎちゃ駄目だよって。
だけどーーー
「アイスコーヒー、どうぞ。千晶さんからのサービスです。」
と、とてもスマートな仕草でグラスを差し出すのは千晶さんではなくて…
俺と対して歳かわらないんじゃないの?って奴が我が物顔でさっきからカウンターの中をちょこまかと、、、
誰だ?こいつは。
しかも男の俺から見てもイケてる。
かなり。
「気になります?」
「えっ?な、なにが?」
「惚けたって顔に出てますよ、お前誰だよって。」
な、なんなんだこいつは…図星だけど。
俺が何も言い返せないでいると
「大丈夫ですよ。俺、ただの元バイトですから。今日は待ち合わせで店に来たら混んでたんでちょっとヘルプ…あっ、失礼。」
慌ただしくそう言うとレジの方へと行ってしまった。
なんか、面白くない。
リラはずっと千晶さんが一人でやってたって思ってたのに。
俺は結局、腹立たしさもあって千晶さんの折角の忠告も無視してパスタにタバスコを掛けまくって食べた。