ライギョ



「ねぇ、大丈夫なの?」


「なにが…ですか?」


「ごめん、余計なお世話だよね。いいの。気にしないで。」


千晶さんの言いたい事は分かる。


俺が大阪に今度行く理由だ。


実はあの熱くて息苦しさを覚えるような夏の終りにとんでもない知らせが入ってきた。


まだまだ暑さが残り秋らしさも感じられない時期に大きめの台風が大阪に直撃したのだ。


そして、その台風が去った後、城の堀にとんでもない光景があった。


ライギョだ。


それもあの夜、俺達が釣り上げようとしたヌシだ。


城の堀に住むと伝えられていたあのヌシが浮き上がったのだ。


腹を見せた状態で。


全国ニュースで知った俺は直ぐに山中、竹脇と連絡を取った。


何故ならその全長3メートルはあるだろうヌシの腹から人の骨が出てきたのだから。


竹脇のネット社会での繋がりは恐ろしく広く詳しい情報を得るのはさほど難しくはなかった。


そして、DNA鑑定を始め詳しく調べ上げたところーーー











その骨のDNAは安田のものと一致した。




















< 106 / 110 >

この作品をシェア

pagetop