ライギョ
＊＊＊


「この前はありがとうございました。」


今日も俺はクソ忙しかった仕事帰りにBARリラにて空っぽの胃袋を満たし、そして美しいオーナー千晶さんの笑顔に心も満たされている。


「あら、こちらこそ運命の再会場所になれて光栄よ。」


今日も千晶さんは美しい。


「もっとゆっくりしてくれて構わなかったのに。今日は飲む？」


ここの所、忙しくて晩飯だけ食ったらまた社に戻ったりしていた。


今日は久しぶりに早く仕事を終わらせる事が出来たので早い時間から俺はリラのカウンター席を陣取っている。


「はい、いつもので。」


直ぐにいつものジンバックが目の前に出され、細やかに弾ける泡を見ていると心まで軽くなる気がする。


ずっと重かったからな………。


あの日、偶然に山中と再会した俺はとんでもない話を聞かされた。


ーーー安田、生きてるかもしれへん


唐突に出た山中の言葉に何を返せば良いのか分からなかった俺は黙り込んでしまった。


そんな俺に山中は


「無理もない。俺も最初聞いた時、そんな感じやった。」


と言った。


結局、あいつもまだホテルの部屋に帰ってから少し仕事があるって言ってたし


本来、休みであるリラに長居するのは良くなかったので


俺達は解散することとなった。


再会の約束をしてーーーー








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