ライギョ
スマホの画面を睨んでいるとその内、画面は暗くなり、同時に城を照らしあげていたライトアップも落とされた。


それでもこの街はやはり明るい。


いつまでも感傷に浸っておらずいよいよ、実家に足を向けるかとスマホを仕舞いかけた時、


その画面に移された番号に俺は一瞬戸惑った。


そしてーーー


「ーーーもしもし……」


恐る恐る俺が発したその言葉にとても聞き覚えのある高めの声が返ってきた。


「私……小夜子だけど。」








< 47 / 110 >

この作品をシェア

pagetop