ライギョ
咄嗟に頭の中で色んな思いが忙しげに動き出す。


忘れ物でもしたか?


それとも今度の事で急ぎの用事でも?


いいや。


何故、俺の番号知ってんだ?


俺は山中には番号を教えたけれど小夜子自身に言った覚えは無い。


じゃあ、山中が?


いや、その確率も低いだろう。


何故なら、さっきの席にて今度の件で俺と小夜子、互いの連絡先を知っていた方が良いのでは?と小夜子自ら言い出したのを山中は少し考えてから止めたのだ。


「こいつに用がある時は俺から連絡するからお前はええやろ。」と。


別にこれといってどちらの言い分も不審な点は無い。


連絡がスムーズにとあの小夜子なら考えそうな事だ。


かと言って、山中が言うように何か必要な際は山中経由で連絡を取ればいい。


そもそも俺と小夜子が連絡を取り合うような必要も無いのだから。









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