ライギョ
「そうか。えらい遠いとこ行くんやな。」
俺は父親の急な転勤で大阪を離れることになったのを告げるために放課後、久しぶりに山中の家へと来ていた。
中3になってクラスも離れ山中と喋るのはかなり久しぶりやった。
久しぶりにまともに喋った山中は今までみたいに大袈裟に驚いたりもせず、玄関のドアから少し顔を覗かせ静かにそう言った。
「うん……。今までありがとうな。……また連絡するわ。」
俺が本心でそう言うと
「いや、連絡とかもうええで。お前は新しい所で頑張れ。折角のええきっかけやないか。これまでの事は綺麗さっぱり忘れて新しい所で新しい友達作れ。ええな?もう、俺には関わるな。」
山中が真面目な顔して俺に言った。
「そ、そんな……関わるなってって俺ら…友達やめるって事か?」
「ああ、そうや。俺はお前とはもう友達やめる。絶交や。」
「なんでそんな事急に言うねんな。」
無性に悲しさが込み上げてくる。安田には悪いけど幼稚園の時から一緒に遊んでた山中に絶交宣言されてる今の方が結構、ショックやった。
「なんでもや。とにかく、俺にはもう関わるな。ロクな事ない。じゃあな。」
そう言うと山中は玄関のドアをピシャリと締めた。
玄関先に残された俺は少しの間動けんかった。
けれど、自転車にまた跨ると山中の家を後にした。
「山中……なんであんな事……」
俺は涙腺が緩みそうになるのを阻止すべくペダルを漕ぐスピードを上げた。
結局その後、竹脇とも会うこと無く俺は14年間過ごした大阪を離れた。
引越しの日、新幹線に乗るために環状線に乗ると大阪城が見えた。
やっぱり、大阪城を見るとまだ胸が苦しくなる。
けれど俺の事なんかお構いなしに、いつもと変わらず、大きな存在感で大阪城はそこにあった。
俺はもう一生、大阪城見る事無いやろなって思った。
いや、もう見たくないなって思ったんや。
俺は心の中で呟いた。
ーーーーバイバイ、大阪
バイバイ、みんな
それから…………
バイバイ、安田……
俺の大阪時代は幕を閉じた。
俺は父親の急な転勤で大阪を離れることになったのを告げるために放課後、久しぶりに山中の家へと来ていた。
中3になってクラスも離れ山中と喋るのはかなり久しぶりやった。
久しぶりにまともに喋った山中は今までみたいに大袈裟に驚いたりもせず、玄関のドアから少し顔を覗かせ静かにそう言った。
「うん……。今までありがとうな。……また連絡するわ。」
俺が本心でそう言うと
「いや、連絡とかもうええで。お前は新しい所で頑張れ。折角のええきっかけやないか。これまでの事は綺麗さっぱり忘れて新しい所で新しい友達作れ。ええな?もう、俺には関わるな。」
山中が真面目な顔して俺に言った。
「そ、そんな……関わるなってって俺ら…友達やめるって事か?」
「ああ、そうや。俺はお前とはもう友達やめる。絶交や。」
「なんでそんな事急に言うねんな。」
無性に悲しさが込み上げてくる。安田には悪いけど幼稚園の時から一緒に遊んでた山中に絶交宣言されてる今の方が結構、ショックやった。
「なんでもや。とにかく、俺にはもう関わるな。ロクな事ない。じゃあな。」
そう言うと山中は玄関のドアをピシャリと締めた。
玄関先に残された俺は少しの間動けんかった。
けれど、自転車にまた跨ると山中の家を後にした。
「山中……なんであんな事……」
俺は涙腺が緩みそうになるのを阻止すべくペダルを漕ぐスピードを上げた。
結局その後、竹脇とも会うこと無く俺は14年間過ごした大阪を離れた。
引越しの日、新幹線に乗るために環状線に乗ると大阪城が見えた。
やっぱり、大阪城を見るとまだ胸が苦しくなる。
けれど俺の事なんかお構いなしに、いつもと変わらず、大きな存在感で大阪城はそこにあった。
俺はもう一生、大阪城見る事無いやろなって思った。
いや、もう見たくないなって思ったんや。
俺は心の中で呟いた。
ーーーーバイバイ、大阪
バイバイ、みんな
それから…………
バイバイ、安田……
俺の大阪時代は幕を閉じた。