【イメージポエム】書きます※野イチゴBerry作家さま作品へ
35蒼璃さま【白い花の名前】
【待宵草】
両親を辻斬りに殺された雪は吉田松陰の元に引き取られ、攘夷派の志士たちと共に過ごしていたが……高杉晋作の命を受け、新撰組に間者として潜りこむ。志士として……。


―――――

真っ白な雪
その儚さを憂うように
時代の風は吹き荒れる


尊皇と攘夷の狭間に
散っていく
儚い命の煌めき


抗えども抗えども
虚しくて

白い雪が紅く紅く
染まっていく


身を翻す刃の先に

護るべき時代もあり
護るべき笑顔もあり
護るべき幾多の命もあり


護るべき愛しき人も……ある



己れの無力感じつつ
手にも刃
心にも刃を携えて


寂しさに
凍えた冷たい手
胸に宿るは
愛しき人への思い


待宵にふけゆく鐘の
声聞かば
雪の白きに涙流るる
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