コンビニエンスな関係
乾いた唇がそっと離れた時、口角がキュッと上がっているのが見えた。



どういうつもり!?
私は驚きのあまり、声も出ず、顔も見られなかった。



「名前は?」



は?
いきなりキスしておいて何を偉そうに…。



「山本、ですが?」



「フ·ル·ネーム!」



「…山本奈津…」



応えなきゃいいのに…と思いながら、クールの顔を睨みつけた。



「オレ、秋田裕信」



名乗られたって…困るんだけど!



< 6 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop