スキと言えるまで。





その後、何事もなかったように別れて。





事が起こったのは3日後だった。
その人が死んだのだ。
ここから飛び降りて自殺。





看護師さんから聞くと、その日はちょうど妹さんの誕生日で命日だったらしい。
私に鍵を渡した意味。
妹さんに逢いにいく決心をしていたんだ。
もう必要なくなるから。





「まだ若葉には必要だろう?」





最後に言った彼の言葉。
ここに来るのは思い出とこの景色で楽になるため。
お兄ちゃんをお参りするため。





空の上で二人は会えたかな?
向こうで幸せになっているかな?






< 122 / 261 >

この作品をシェア

pagetop