スキと言えるまで。





フェンスの近くで座り込む。
そこからだと下の景色が見えるんだ。





隣には花束。
そこに私も手を合わせる。





…ここからあの人は飛び降りた。





「ここにまだお兄ちゃんがいる限り、私は死ねないんだよね…。」





私が鍵を捨てられる日が、死ぬ日。
私も同じ場所で死ぬんだって決めたから。





けどまだ私は、鍵を捨てられない。
お兄ちゃんの声が、私に駄目だよっていう声が聞こえるから。
どうして私は死んじゃ駄目なの?





「って来るたび考えちゃう悪い癖~。」







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